大阪で会社設立の登記を申請できる法務局は4庁だけ|本店所在地から申請先を確かめる
大阪で会社設立を進めようとして、「登記の書類はどこに出すのか」で手が止まる方は少なくありません。市役所ではなく法務局に出す、というところまでは調べがつきます。ところが大阪府内には法務局の庁が10以上あり、そのうち会社設立の登記を実際に申請できるのは4庁だけです。しかも「支局」と名が付いていながら申請を受け付けない庁があります。
この記事は、大阪市・堺市・東大阪市・北摂などで会社設立をしようとしていて、本店をどこに置くか、そしてその住所だとどこに申請するのかを確かめたい方に向けて書いています。自分で登記まで進めるか、大阪の司法書士や税理士に頼むかを決めかねている方にも、判断の材料になるように、手続きの順番と実費の内訳まで並べました。
本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載している制度の内容は、2026年9月に各公式ページを実際に開いて確認できた範囲のものです。確認できなかったことは書いていません。
01大阪府内で会社設立の登記を申請できる法務局は4庁だけ

大阪で会社設立をするとき、設立登記の申請書を出す先は法務局です。大阪府内には大阪法務局の本局のほかに支局や出張所が置かれていますが、商業・法人登記の申請を扱っているのは、本局・北大阪支局・東大阪支局・堺支局の4庁だけです。残りの庁は、登記事項証明書の交付などは行っていても、会社設立の登記を受け付けていません。
ここが大阪で会社設立を進めるときの、最初のつまずきどころです。「近所に法務局の建物がある」ことと「そこで設立登記を申請できる」ことは別で、地図アプリで最寄りの法務局を探して出向いても、受け付けてもらえないことがあります。どの庁が何を扱うかは大阪法務局が取扱事務の一覧として公表しているので、住所を決める段階で一度そこを見ておくのがおすすめです。

出典:大阪法務局「取扱事務一覧表(商業・法人登記、電子認証)」(2026年9月時点)
02富田林支局と岸和田支局では、会社設立の登記を申請できない

大阪で会社設立をする人がいちばん間違えやすいのが、ここです。富田林支局と岸和田支局は「支局」でありながら、商業・法人登記の申請を扱いません。富田林市に本店を置いても、岸和田市に本店を置いても、設立登記の申請先は堺支局になります。出張所ではなく支局なので、名前だけ見ると申請できそうに思えてしまうところが厄介です。
同じ種類の勘違いは池田市でも起きます。池田市には池田出張所がありますが、こちらで扱うのは不動産登記で、商業登記は北大阪支局が受け持ちます。大阪の会社設立を扱う記事のなかには、この区別を書き分けられていないものも見かけます。迷ったときは、大阪法務局の管轄区域一覧で本店所在地の市町村名を引くのが確実です。
| 本店所在地 | 設立登記の申請先 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| 大阪市北区 | 大阪法務局(本局) | 北出張所では申請できません |
| 枚方市 | 大阪法務局(本局) | 枚方出張所では申請できません |
| 豊中市・池田市 | 北大阪支局 | 池田出張所は不動産登記のみです |
| 東大阪市・八尾市 | 東大阪支局 | – |
| 堺市 | 堺支局 | – |
| 富田林市 | 堺支局 | 富田林支局では申請できません |
| 岸和田市 | 堺支局 | 岸和田支局では申請できません |
| 大阪狭山市 | 堺支局 | 「大阪」と付きますが本局ではありません |
2026年9月時点。大阪法務局の管轄区域一覧をもとに作成しています。

出典:大阪法務局「管轄区域一覧」(2026年9月時点)
03株式会社なら、登記の前に公証役場で定款認証を受ける

会社設立の登記を申請する前に、株式会社の場合は定款の認証を受ける必要があります。手続きをする場所は公証役場で、法務局とは別の窓口です。合同会社は定款認証そのものが不要なので、この工程は飛ばせます。大阪で合同会社を選ぶ人が多いのは、この手間と費用の差も理由のひとつです。
大阪府内の公証役場は11か所あります。梅田・平野町・本町・江戸堀・難波・上六の6か所が大阪市内に集まり、市外は枚方・高槻・堺・岸和田・東大阪の5か所です。南河内や泉州で会社設立をする場合、最寄りは堺か岸和田になります。なお定款認証は本店所在地の都道府県内の公証役場であればどこでも受けられるので、法務局のように「この住所ならこの庁」と決まっているわけではありません。
- 大阪市内:梅田公証役場/平野町公証役場/本町公証役場/江戸堀公証役場/難波公証役場/上六公証役場
- 北摂・北河内:高槻公証役場/枚方公証役場
- 東部:東大阪公証役場
- 南部:堺公証役場/岸和田公証役場
2024年3月からは、定款認証のウェブ会議での対応が全国の公証役場で原則化されました。遠方の公証役場を選んでも足を運ばずに済む場面が増えているので、大阪で会社設立を急ぐ場合は、予約の取りやすさで選ぶのもおすすめの考え方です。

出典:大阪法務局「公証役場一覧」(2026年9月時点)
04定款認証の手数料は、資本金と発起人の人数で変わる

定款認証の公証人手数料は、資本金の額によって3万円・4万円・5万円に分かれます。これに加えて、2024年12月1日から条件を満たすと1万5,000円になる区分が設けられました。大阪で会社設立をする人にも当てはまる場面は多いのですが、この区分を反映していない解説がまだ多く残っています。
| 資本金の額等 | 公証人手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 3万円 | 下の3要件をすべて満たすと1万5,000円 |
| 100万円以上300万円未満 | 4万円 | 要件を満たしても4万円のままです |
| 300万円以上 | 5万円 | 要件を満たしても5万円のままです |
このほかに謄本が1枚250円かかります。合同会社は定款認証そのものが不要です。
紙の定款を使う場合は、これとは別に収入印紙が4万円かかります。電子定款にすれば、この4万円は不要です。大阪の司法書士や行政書士に会社設立を頼むと電子定款で進めてもらえることがほとんどなので、「手数料を払っても電子定款のぶんで元が取れるか」は、依頼先を選ぶときのおすすめの見方です。

出典:日本公証人連合会「公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」(2026年9月時点)
05登録免許税は、大阪市の証明書があれば半額になる

会社設立の実費のなかでいちばん大きいのが登録免許税です。株式会社は資本金の0.7%で、15万円に満たないときは15万円。合同会社は同じく0.7%で、6万円に満たないときは6万円がかかります。多くの方はこの下限のほうが効くので、株式会社なら15万円、合同会社なら6万円と考えておけば大きくは外れません。
この登録免許税は、市区町村の特定創業支援等事業による支援を受けた証明書があると、税率が0.7%から0.35%に下がります。株式会社は7万5,000円、合同会社は3万円が下限になり、大阪で会社設立をするなら、まず検討しておきたい制度です。
| 会社の種類 | 通常 | 証明書がある場合 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 資本金×0.7%(下限15万円) | 資本金×0.35%(下限7万5,000円) |
| 合同会社 | 資本金×0.7%(下限6万円) | 資本金×0.35%(下限3万円) |
軽減は半額までです。残りの半額を補助して負担をなくす制度は、大阪市には確認できていません。

出典:中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減について」(2026年9月時点)
06証明書は会社設立の「前」に取る。大阪市の手順と落とし穴

大阪市の特定創業支援等事業は、市が認定した講座などで4回以上かつ1か月以上の継続的な支援を受けることが要件です。経営・財務・人材育成・販路開拓の4つの知識を身につける、という組み立てになっています。証明書の交付手数料は無料で、申請から交付まではおおむね10日程度が目安とされています。
対象になる事業は年度で入れ替わります。大阪産業創造館の創業チャレンジゼミやあきない虎の穴、大阪商工会議所の大商開業スクール、大阪イノベーションハブや ソフト産業プラザTEQS のプログラムなどが挙げられていますが、実施時期はそれぞれ違い、事前申込制です。大阪市の公式ページで最新の一覧を見てから動くのがおすすめです。
②は、大阪で会社設立をするときにとくに効いてきます。たとえば大阪市内の講座を受けて証明書を取ったのに、賃料の都合で本店を吹田市や東大阪市に置いた、というケースでは軽減を受けられません。バーチャルオフィスを検討している方も、住所をどの市町村に置くかを先に決めておいてください。
- 本店を置く市町村を決める
- その市町村の特定創業支援等事業を確認して申し込む(大阪市は事前申込制)
- 4回以上かつ1か月以上の支援を受ける
- 支援事業者に申し出て証明書を申請する(交付までおおむね10日程度)
- 証明書を添えて、管轄の法務局に会社設立の登記を申請する


出典:大阪市「特定創業支援等事業」(2026年9月時点)
07オンライン申請なら、4庁のどこにも足を運ばなくてよい

ここまで申請先の話をしてきましたが、会社設立の登記はオンラインでも申請できます。管轄が4庁に絞られていると聞くと窓口が遠くて不便に思えますが、実際には堺や北摂から本局まで出向く必要はありません。申請先の庁を正しく選ぶことと、その庁に足を運ぶことは別の話です。
国のサービスとしては、デジタル庁の法人設立ワンストップサービスがあります。マイナンバーカードによる電子署名を使い、法人設立に関わる手続きをまとめて申請できるものです。利用料はかからないので、大阪で会社設立を自分で進めたい方にはおすすめの選択肢になります。
なお、書類作成を助けるクラウドサービスもあります。ただしこれらは基本的に書類をつくるためのもので、特定創業支援等事業の証明書までは取得してくれません。大阪で登録免許税の軽減まで狙うなら、証明書の段取りは自分で進めるか、大阪の士業に相談するのがおすすめです。

出典:デジタル庁「法人設立ワンストップサービス」(2026年9月時点)
08まとめ:大阪で会社設立の登記を進めるおすすめの順番

大阪で会社設立の登記を進めるとき、順番を間違えると取り返しにくいのは「本店の住所」と「特定創業支援等事業の証明書」の2つです。住所が決まれば申請先の法務局は自動的に決まりますし、証明書は設立前に、しかも本店と同じ市町村で取っておく必要があります。この2つを先に固めてから、定款づくりに入るのがおすすめです。
登記が終わったあとにも窓口は続きます。法人府民税と法人事業税の届出は府税事務所に出しますが、こちらは法務局とは管轄の割り方が違います。大阪市内であれば区にかかわらず中央府税事務所が担当し、東大阪市なら登記は東大阪支局でも府税は中河内府税事務所、という具合にずれます。設立から2か月以内という期限もあるので、登記が終わったら早めに動いてください。
会社設立を大阪で進める方法は、ひとつではありません。自分で登記まで進める人もいれば、大阪の司法書士に登記だけ頼む人、設立後の顧問まで見据えて税理士法人に相談する人もいます。どれがおすすめかは、設立の後に何をしたいかで変わります。少なくとも申請先の法務局と証明書の段取りだけは、誰に頼むにしても最初に確かめておいて損はありません。

出典:大阪府「法人府民税・法人事業税及び軽油引取税等にかかる府税事務所の担当区域について」(2026年9月時点)
ここまで読んでいただいた方に、お願いがひとつあります。本店の住所を決めてしまう前に、「その住所だと申請先はどの庁か」と、「特定創業支援等事業の証明書を、どの市町村で取るか」の2つを先に確かめてください。この2つは後から変えるのが面倒なうえ、証明書のほうは市町村が食い違うと軽減そのものを受けられません。
大阪で会社設立をするとき、申請先が4庁に絞られていること自体は不便ではありません。オンライン申請を使えば、そもそも庁の窓口に出向く必要がないからです。困るのは、岸和田市に本店を置いたのに岸和田支局へ行ってしまう、といった行き違いのほうです。この記事の管轄一覧を、住所を決めるときの手元の資料として使っていただければと思います。
制度は変わります。登録免許税の軽減も、対象になる講座も、年度ごとに見直されます。実際に動く前には、この記事で挙げた各公式ページをもう一度ご確認ください。大阪での会社設立が、迷いの少ない形で進むことを願っています。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順に優劣の意味はありません。並び順はページごとに変えており、順位付けではありません。いずれも当サイトが実際に検索してURLの存在を確認したサイトです(確認時点の情報のため、移転・終了している場合があります)。
- 大阪法務局 管轄のご案内(商業・法人登記)
本店所在地から、会社設立の登記を申請する法務局を地図で確かめられる大阪法務局の公式ページ。
houmukyoku.moj.go.jp - 商業・法人登記事務の取扱庁変更について(大阪法務局)
どの庁が商業・法人登記を扱うかの変更を知らせる大阪法務局の公式ページ。
houmukyoku.moj.go.jp - 大阪府の法人登記を取り扱っている法務局(GVA 法人登記)
大阪府内の法人登記を扱う法務局を電話番号つきで一覧にしたページ。運営はGVA TECH株式会社。
corporate.ai-con.lawyer - 大阪府の管轄法務局について。【商業・法人登記編】(司法書士スタンダード)
豊中市の司法書士事務所が、商業・法人登記の管轄を市町村別にまとめた記事。
standard-office.jp - 高槻市や茨木市など北摂地域において会社設立する場合の管轄法務局について(司法書士中嶋国際法務事務所)
高槻の司法書士が、北摂で会社設立する場合の管轄が北大阪支局になることを説明した記事。
nakajimalaw.net - 登記手続案内予約及び各種お問合せ(大阪法務局)
登記手続の相談を予約するための大阪法務局の案内ページ。自分で登記するときの相談先。
houmukyoku.moj.go.jp - 大阪府の公証役場一覧
大阪府内の公証役場を所在地つきで並べた一覧ページ。定款認証の場所選びに使える。
hitodeki.com - 株式会社の定款の認証を受ける(会社設立大阪)
株式会社の定款認証の進め方を、大阪で設立する前提で説明したページ。
osaka.ii-support.jp - 大阪府の公証役場一覧/電子定款認証サポート
電子定款の認証を扱う事務所が、大阪府内の公証役場を一覧にしたページ。
nishi-jimu.com - 大阪法務局 商業・法人登記の管轄区域一覧(OMI税理士法人)
大阪梅田の税理士法人が、商業・法人登記の管轄区域を一覧にした記事。
setsuritsu-zeirishi.com - 商業・法人登記(大阪法務局)
大阪法務局の商業・法人登記の入口。申請書の様式や手続の案内がまとまっている。
houmukyoku.moj.go.jp - 定款の認証手続き(会社設立ひろば大阪)
大阪での会社設立と創業融資を支援する事務所が、定款認証の手続を説明したページ。
seturitu-hiroba.jp - 合同会社設立 電子定款−大阪市/大阪法務局 本局
大阪法務局本局が管轄する区を挙げながら、合同会社の電子定款を説明するページ。
llc.nishi-jimu.com - 【高槻公証役場】電子定款認証手続きの流れと持ち物(司法書士中嶋国際法務事務所)
高槻公証役場での電子定款認証の流れと持ち物を、北摂の司法書士が具体的に書いた記事。
nakajimalaw.net - 電子定款認証 大阪府東大阪市/東大阪公証役場
東大阪公証役場で電子定款の認証を受ける場合の案内ページ。
teikan.nishi-jimu.com - 司法書士・行政書士けやき法務事務所(東大阪市)
河内小阪駅近くの事務所。会社設立や役員変更の登記を扱い、初回40分の相談は無料。
keyaki-office.com - 原司法書士事務所(岸和田市)
岸和田市の司法書士事務所。泉州一円を対応地域として会社・法人登記を扱う。
hara-shihoushoshi-kishiwada3372.com - 司法書士による無料相談(東大阪市)
東大阪市が案内している司法書士の無料相談。登記の相談先として使える公的な窓口。
city.higashiosaka.lg.jp - 会社設立時の登録免許税とは?半額制度や納付方法などを解説
登録免許税の計算方法と、特定創業支援等事業による半額の仕組みを早見表で説明した記事。
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登録免許税の計算と、証明書で半額にする方法を初めての人向けに整理した記事。
yayoi-kk.co.jp
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