特定創業支援等事業が使えないときの代わり|大阪で会社設立の費用を下げる別の手段
特定創業支援等事業の証明書があれば、会社設立の登録免許税が半額になります。ただし誰でも使えるわけではありません。2社目の創業は対象外ですし、すでに法人の代表者になっている方も登録免許税の軽減は使えません。そもそも日程が間に合わないこともあります。
この記事は、大阪で会社設立をしようとしていて、「調べたら自分は証明書を使えなかった」という方に向けて書いています。落胆する必要はありません。費用を下げる手段は他にもありますし、証明書の優遇のうち一部だけなら使える場合もあります。
本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。制度の内容は2026年9月に各公式ページを確認した時点のものです。個別の適用可否は、必ず所管の窓口や専門家にご確認ください。
証明書が使えない、4つのパターン

特定創業支援等事業の証明書で登録免許税の軽減を受けられないのは、主に4つの場合です。会社設立の準備を始める前に、自分がどれかに当たらないかを確かめておいてください。
このうち3つ目は、本店を置く市町村で講座を受け直せば解決します。4つ目も、会社設立の時期を後ろにずらせるなら使えます。どうにもならないのは1つ目と2つ目です。
大阪で会社設立を考えている方から見ると、この4つのうち3つ目と4つ目は自分で動かせる要素です。本店をどの市町村に置くかを見直すか、会社設立の時期をずらすか。先に自分がどれに当たるかを確かめるのがおすすめです。

出典:大阪市「特定創業支援等事業」(2026年9月時点)
代わりの手段1:合同会社を選ぶと、そもそもの税額が下がる

証明書が使えない場合、いちばん効果が大きいのが会社の種類の見直しです。合同会社の登録免許税は下限6万円で、株式会社の15万円より9万円安い。証明書による軽減額(株式会社で7万5,000円)を上回ります。
さらに合同会社は定款認証が不要です。株式会社なら公証人手数料が最低でも1万5,000円、条件によっては5万円かかりますが、合同会社にはこれがありません。
| 株式会社(証明書なし) | 合同会社(証明書なし) | |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
| 定款認証 | 1万5,000円〜5万円 | 不要 |
| 収入印紙(電子定款) | 0円 | 0円 |
| 法定費用の目安 | 約16万7,000円〜20万2,000円 | 6万円 |
いずれも資本金が少額で、登録免許税が下限額でおさまる場合です。謄本代は別途かかります。
会社設立の費用だけで見れば、合同会社が圧倒的に有利です。証明書を使った株式会社(約9万2,000円)と比べても、合同会社(6万円)のほうが安くなります。
大阪で一人で始める方や、小規模に始める方には合同会社がおすすめされることが多いのは、この費用差が理由のひとつです。会社設立の手続きも工程が少なく、自分で進めやすくなります。

出典:中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減について」(2026年9月時点)
代わりの手段2:電子定款で収入印紙4万円を省く

紙の定款には収入印紙が4万円かかりますが、電子定款なら不要です。この手段には制度上の条件がありません。2社目の創業でも、すでに法人の代表者でも、会社設立を急いでいても使えます。
印紙税が課されるのは会社設立のときに作成される定款の原本で、株式会社の場合は公証人が保存する認証済みの定款が対象です。電子データには印紙を貼れないため、課税されません。合同会社でも同じです。
自分で電子定款を作るには、PDFに電子署名を付ける環境が必要です。ソフトの用意まで含めると手間と費用が発生するので、1回きりの会社設立なら、ここだけ専門家に頼むのがおすすめです。
大阪で会社設立を頼む場合、電子定款に対応していない事務所はほとんどありません。念のため見積もりのときに確認しておくのがおすすめですが、ここで差がつくことは実際には少なくなっています。
クラウドサービスを使う場合も電子定款に対応していますが、作成費用として5,000円ほどが別途かかり、各社の会計ソフトを年間契約するとその分を負担してくれる形が共通しています。会計ソフトを使う予定があるなら、実質の負担は小さくなります。

出典:国税庁「課税される定款の範囲」(2026年9月時点)
代わりの手段3:資本金と役員構成で、定款認証を1万5,000円にする

株式会社で会社設立をする場合、定款認証の公証人手数料を下げられることがあります。2024年12月1日から、条件を満たすと1万5,000円になる区分ができました。
条件は4つです。資本金の額等が100万円未満であること、発起人の全員が自然人かつ3人以下であること、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること(発起設立)、そして定款に取締役会を置く旨の記載がないこと。
一人で会社設立をする場合、発起人は自分ひとりですから人数の条件は満たします。取締役会も、役員が自分だけなら置きません。残るのは資本金を100万円未満にするかどうかだけ、という状況になりやすいところです。
大阪市の法人市民税の均等割も、資本金等の額が1,000万円を超えると年5万円から年13万円に上がります。資本金は会社設立のときの費用だけでなく毎年の税金にも効くので、両方を見ながら決めるのがおすすめです。
ただし資本金は、取引先や金融機関から見られる数字でもあります。3万5,000円のために事業に必要な運転資金を削るのは本末転倒です。どちらでもよい場合の判断材料と考えてください。

出典:日本公証人連合会「公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」(2026年9月時点)
代わりの手段4:依頼先を条件込みで選び直す

会社設立の代行手数料は、大阪でも0円から十数万円まで幅があります。ただし0円には条件が付いていることが多く、設立後の税務顧問契約が前提になっているケースが目立ちます。
顧問を頼むつもりがあるなら、手数料0円のプランは合理的です。逆に設立だけ済ませたいなら、顧問契約を条件にせず報酬を明示している司法書士事務所のほうが総額を把握しやすくなります。
当サイトが確認した範囲では、大阪市内に顧問契約不要を明示している司法書士事務所が複数ありました。報酬7万〜9万円程度で、設立後に続く費用はないという形です。手数料0円で月2万円の顧問料なら年24万円ですから、1年で見ると逆転します。
大阪には顧問契約を条件にしない事務所も、設立後まで見てくれる事務所も両方あります。どちらがおすすめかは、設立の後に何をしたいかで決まります。
なお、会社設立を自分で進めるという選択もあります。登記申請の代理を仕事として行えるのは司法書士と弁護士だけですが、自分の会社の登記を自分で申請することに制限はありません。合同会社なら定款認証もないので、自分でやりやすくなります。

出典:消費者庁「景品表示法関係ガイドライン等」(2026年9月時点)
証明書の優遇のうち、一部だけなら使える場合がある

証明書の優遇措置は登録免許税の軽減だけではありません。登録免許税が使えなくても、他の優遇は使える場合があります。会社設立の費用は下がらなくても、資金調達の面では効いてきます。
たとえば、すでに法人の代表者になっている方は登録免許税の軽減の対象外ですが、大阪市の証明書活用例早見表を見ると、創業関連保証の特例と日本政策金融公庫の新規開業資金については「○」になっています。
| 現在の事業形態 | 登録免許税の軽減 | 創業関連保証の特例 | 公庫の新規開業資金 |
|---|---|---|---|
| これから創業する方 | ○ | ○ | ○ |
| 個人事業主 | ○ | ○ | ○ |
| 法人の代表者 | ✖ | ○ | ○ |
いずれも別途審査があります。他市町村で創業する場合の扱いは制度により異なります。
また、本店を他の市区町村に置く場合でも、創業関連保証の特例については大阪市の証明書で活用できるとされています。使えなくなるのは登録免許税の軽減と、日本政策金融公庫の一部の支援です。
会社設立の費用を下げる目的では使えなくても、融資を受ける予定があるなら証明書を取る意味はあります。日程に余裕があるなら、検討してみるのがおすすめです。

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」(2026年9月時点)
証明書に頼らない資金調達も見ておく

特定創業支援等事業は市町村の制度ですが、大阪府の制度融資は府内であればどこに本店を置いても使えます。証明書が使えない場合でも、こちらは検討の対象になります。
大阪府の開業・スタートアップ応援資金は、融資限度額3,500万円、融資期間10年以内(据置12か月以内)、金利は年1.65%の固定です。女性、35歳未満、55歳以上、UIJターン該当者は年1.45%になります。信用保証料は年1.0%で、担保は不要です。
条件が合えば、地域支援ネットワーク型という枠もあります。金利が年1.45%(該当者は年1.25%)、信用保証料が年0.5%と、開業資金より条件がよくなっています。ただし主たる事業所が取扱地域内にあることなどの制限があります。
利率は年度途中でも改定されます。府の案内にも「申込時に窓口で確認すること」と明記されているので、この記事の数字も目安として見てください。会社設立の前に、金融機関か府の窓口に相談しておくのがおすすめです。

出典:大阪府「開業・スタートアップ応援資金(融資制度のご案内)」(2026年9月時点)
まとめ:使える手段を足していくと、どこまで下がるか

証明書が使えない場合でも、手段を組み合わせれば会社設立の費用は下げられます。効果の大きい順に並べると次のようになります。
- 合同会社を選ぶ:登録免許税が9万円下がり、定款認証も不要になります
- 電子定款にする:収入印紙4万円が不要。条件なしで誰でも使えます
- 資本金と役員構成を整える:株式会社なら定款認証が1万5,000円になりうる
- 依頼先を条件込みで選ぶ:0円の条件を確かめ、1年の負担で比べます
- 自分で登記まで進める:時間はかかりますが手数料はかかりません
たとえば合同会社を電子定款で自分で設立すれば、法定費用は6万円です。証明書を使った株式会社(約9万2,000円)より安くなります。会社の種類を変えられるなら、証明書がなくても十分に費用を抑えられます。
株式会社にする必要があるなら、電子定款と定款認証の条件を整えて約16万7,000円。ここから代行手数料をどうするかという話になります。顧問を頼む予定があるなら手数料0円のプラン、設立だけなら報酬を明示している司法書士事務所がおすすめです。
会社設立の費用は一度きりですが、設立後の固定費は毎年かかります。均等割、社会保険料、記帳と申告の費用。数万円の差にこだわるより、こちらの見通しを立てるほうが大事な場面も多いはずです。

出典:日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」(2026年9月時点)
会社設立の費用を下げようとすると、つい「使えたはずの制度」に目が向きがちです。けれど大事なのは、いま自分が使える手段を積み上げることです。電子定款、会社の種類の選択、資本金と役員構成の整え方、依頼先の選び方。全部足せば、証明書と同じくらいの差になることもあります。
それに、会社設立の費用は一度きりです。設立後に毎年かかる固定費のほうが、長い目で見れば効いてきます。数万円の差にこだわって時間を使うより、事業を早く始めたほうが得になる場面も多いはずです。
制度は変わりますし、要件の運用も見直されます。いま使えないと判断した制度も、時期が来れば使えるようになることがあります。大阪での会社設立が、無理のない形で進むことを願っています。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順に優劣の意味はありません。並び順はページごとに変えており、順位付けではありません。いずれも当サイトが実際に検索してURLの存在を確認したサイトです(確認時点の情報のため、移転・終了している場合があります)。
- 会社設立時の登録免許税とは?半額制度や納付方法などを解説
登録免許税の計算方法と、特定創業支援等事業による半額の仕組みを早見表で説明した記事。
vs-group.jp - 合同会社設立 電子定款−大阪市/大阪法務局 本局
大阪法務局本局が管轄する区を挙げながら、合同会社の電子定款を説明するページ。
llc.nishi-jimu.com - 会社設立の登録免許税が半額になる?(司法書士法人C-first)
特定創業支援等事業の証明書で登録免許税が半額になる条件を、司法書士法人が説明した記事。
c-first.jp - 電子定款認証 大阪府東大阪市/東大阪公証役場
東大阪公証役場で電子定款の認証を受ける場合の案内ページ。
teikan.nishi-jimu.com - 会社設立(司法書士・社会保険労務士・行政書士 いとう事務所)
吹田市の事務所が、会社設立の報酬と実費の内訳を項目ごとに示しているページ。
sihou-110.com - 会社設立を司法書士に依頼するメリットは?(リーパル会計事務所)
登記申請を代理できるのは誰かという観点から、司法書士に頼む場合の費用相場を整理した記事。
leapal.jp - 大阪で会社設立する費用と手順を完全解説(弁護士法人)
会社法の観点から、大阪で会社設立するときの費用と手順を通しで説明した記事。
law-bright.com - 法人化(会社設立)の税理士費用はいくら?(大阪の税理士)
法人化を税理士に頼むタイミングと費用相場を、大阪の税理士が段階に分けて解説した記事。
kani-tax.com - 会社設立にかかる登録免許税とは?計算方法や半額にする方法(弥生)
登録免許税の計算と、証明書で半額にする方法を初めての人向けに整理した記事。
yayoi-kk.co.jp - 会社設立の費用・税金を半額にする方法(司法書士おおざわ事務所)
大阪市淀川区の司法書士事務所が、特定創業支援等事業による軽減の受け方を解説したページ。
office-oozawa.com - 【高槻公証役場】電子定款認証手続きの流れと持ち物(司法書士中嶋国際法務事務所)
高槻公証役場での電子定款認証の流れと持ち物を、北摂の司法書士が具体的に書いた記事。
nakajimalaw.net - 定款の認証手続き(会社設立ひろば大阪)
大阪での会社設立と創業融資を支援する事務所が、定款認証の手続を説明したページ。
seturitu-hiroba.jp - 大阪府の公証役場一覧/電子定款認証サポート
電子定款の認証を扱う事務所が、大阪府内の公証役場を一覧にしたページ。
nishi-jimu.com - 費用(司法書士法人大阪泉北合同事務所)
和泉市の司法書士法人が、会社設立の実費込みの総額を株式会社・合同会社別に示しているページ。
osakasenboku-shihou.jp - 商業・法人登記事務の取扱庁変更について(大阪法務局)
どの庁が商業・法人登記を扱うかの変更を知らせる大阪法務局の公式ページ。
houmukyoku.moj.go.jp - 大阪府の法人登記を取り扱っている法務局(GVA 法人登記)
大阪府内の法人登記を扱う法務局を電話番号つきで一覧にしたページ。運営はGVA TECH株式会社。
corporate.ai-con.lawyer - 大阪府の管轄法務局について。【商業・法人登記編】(司法書士スタンダード)
豊中市の司法書士事務所が、商業・法人登記の管轄を市町村別にまとめた記事。
standard-office.jp - 会社設立(大川司法書士・行政書士事務所)
大阪の司法書士・行政書士事務所が、会社設立の手続と費用を案内しているページ。
o-shihousyoshi-osaka.com - 高槻市や茨木市など北摂地域において会社設立する場合の管轄法務局について(司法書士中嶋国際法務事務所)
高槻の司法書士が、北摂で会社設立する場合の管轄が北大阪支局になることを説明した記事。
nakajimalaw.net - 司法書士による無料相談(東大阪市)
東大阪市が案内している司法書士の無料相談。登記の相談先として使える公的な窓口。
city.higashiosaka.lg.jp
この記事は、大阪での会社設立の進め方を決めるのに役に立ちましたか?