大阪で株式会社を設立する手順|定款認証の進め方と、役員の任期の決め方
株式会社の会社設立は、合同会社に比べて工程がひとつ多くなります。その工程が定款認証です。公証役場という慣れない窓口を通ることになるので、ここでつまずく方が少なくありません。
この記事は、大阪府内で株式会社を設立しようとしている方に向けて、定款認証をどう進めるかを軸に手順を整理しました。あわせて、会社設立の時点で決めておく役員の任期についても触れています。任期は後から変えるのに手続きが要るので、最初に考えておきたいところです。
本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。手続きと金額は2026年9月に各公式ページを確認した時点のものです。様式や添付書類は変わることがあるため、必ず公証役場と法務局の公式案内でご確認ください。
株式会社の会社設立は、定款認証が入るぶん工程が多い

株式会社の会社設立では、作った定款を公証役場で認証してもらう必要があります。認証を受けていない定款は効力を持ちません。合同会社にはこの工程がないので、ここが両者の実務上の最大の違いになります。
定款認証は、書類を持って行けばその場で終わるものではありません。先に定款の案を公証役場に送って内容を点検してもらい、指摘があれば直し、それから予約を取って認証を受ける、という流れです。
この事前確認の往復に数日かかることがあります。会社設立の日程を組むとき、ここを見込んでいないと予定が崩れます。定款の案ができた時点で、まず公証役場に連絡してしまうのがおすすめです。
- 会社の基本事項を決める(商号・本店・目的・資本金・役員・任期・決算期)
- 法人用の印鑑を作る
- 定款の案を作る
- 公証役場に事前確認を依頼し、指摘があれば直す
- 予約を取り、定款認証を受ける
- 資本金を払い込み、払込証明書を作る
- 管轄の法務局に設立登記を申請する(この日が設立日)
- 登記完了後、税務署・府税事務所・市町村・年金事務所に届け出る
定款の事前確認では何を見てもらうのか
公証役場の事前確認では、定款の記載が会社法の要件を満たしているかを見てもらいます。絶対的記載事項が欠けていないか、事業目的の書き方に問題はないか、発起人の記載と印鑑証明書の内容が一致しているか、といったところです。
会社設立が初めてなら、この事前確認は積極的に使うのがおすすめです。指摘を受けて直したほうが、認証の当日に差し戻されるより早く済みます。メールで送れる公証役場が多いので、まず問い合わせてみてください。

出典:日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月時点)
大阪府内の公証役場は11か所。どこで受けてもよい

定款認証は、本店所在地の都道府県内の公証役場であればどこでも受けられます。法務局のように「この住所ならこの庁」と決まっているわけではありません。大阪府内に本店を置くなら、府内11か所のどこを選んでも構いません。
内訳は、大阪市内に6か所(梅田・平野町・本町・江戸堀・難波・上六)、市外に5か所(枚方・高槻・堺・岸和田・東大阪)です。市内に集中しているので、大阪市内に本店を置く方は選択肢が多くなります。
| エリア | 公証役場 |
|---|---|
| 大阪市内 | 梅田・平野町・本町・江戸堀・難波・上六 |
| 北河内 | 枚方 |
| 北摂 | 高槻 |
| 東部 | 東大阪 |
| 南部 | 堺・岸和田 |
南河内・泉州エリアからは堺か岸和田が最寄りになります。
どこを選ぶかは、距離だけで決めなくて構いません。会社設立を急ぐなら、予約の取りやすさで選ぶのがおすすめです。混み具合は時期によって変わるので、複数に問い合わせてみるという手もあります。
大阪市外に本店を置く場合でも、大阪市内の公証役場を選んで構いません。たとえば東大阪市に本店を置いて、梅田の公証役場で認証を受けることもできます。会社設立の予定に合う日程が取れるかで選ぶのが現実的です。

出典:大阪法務局「公証役場一覧」(2026年9月時点)
公証人手数料が1万5,000円になる4つの条件

定款認証の公証人手数料は、資本金の額等によって3万円・4万円・5万円に分かれます。これに加えて2024年12月1日から、条件を満たすと1万5,000円になる区分ができました。
条件は4つです。資本金の額等が100万円未満であること、発起人の全員が自然人かつ3人以下であること、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること(発起設立)、そして定款に取締役会を置く旨の記載がないこと。
一人で株式会社の会社設立をする場合、発起人は自分ひとりですから人数の条件は満たします。取締役会も、役員が自分だけなら置きません。残るのは資本金を100万円未満にするかどうかだけ、という状況になりやすいところです。
資本金を100万円未満にするかどうかは、事業に必要な運転資金と相談してください。2万5,000円のために必要な資金を削るのは本末転倒です。どちらでもよい場合の判断材料と考えるのがおすすめです。
なお、当サイトが大阪の事業者18件を確認したところ、この区分を料金表に反映していたのは3件だけでした。見積もりを取るときは、自分の条件だと定款認証がいくらになるかを確かめるのがおすすめです。

出典:日本公証人連合会「公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」(2026年9月時点)
電子定款にすれば、収入印紙4万円が不要になる

定款を紙で作ると収入印紙が4万円かかります。印紙税が課されるのは会社設立のときに作成される定款の原本で、株式会社の場合は公証人が保存する認証済みの定款が対象です。
電子定款にすれば、この4万円は不要です。電子データには印紙を貼れないためで、認証後に嘱託人に返還されるものも非課税とされています。
ただし電子定款を自分で作るには、PDFに電子署名を付ける環境が必要です。ソフトの用意まで含めると、4万円を浮かせるために手間と費用が発生します。1回きりの会社設立なら、ここだけ専門家に頼むのがおすすめです。
電子定款で会社設立を進める場合、認証の受け方も少し変わります。電子データで送信し、認証後のデータを受け取る形になります。紙の定款と手順が違うので、公証役場に確認しながら進めてください。
定款認証を受けた後、謄本を取ります。1枚250円で、登記申請に使うぶんが必要です。枚数によって金額が変わるので、総額の計算では概算になります。

出典:国税庁「課税される定款の範囲」(2026年9月時点)
会社設立の時点で、役員の任期を決めることになる

株式会社には役員の任期があります。任期が満了するたびに登記が必要で、同じ人が続ける場合でも重任の登記をします。この任期を会社設立の時点で定款に定めることになります。
任期をどう設定するかで、その後の手間と費用が変わります。短く設定すれば体制を変えやすくなりますが、登記の回数が増えます。長く設定すれば登記は減りますが、途中で役員を変えるときに手続きが必要になります。
一人で会社設立をする場合、役員を変える予定はまずないので長めに設定しておくほうが手間が少なくなります。逆に複数人で始めるなら、体制の見直しの余地を残す考え方もあります。
任期の管理は、会社設立の後で意外と負担になります。満了の時期を忘れて過料になるケースもあるので、設立が終わったらカレンダーに入れておくのがおすすめです。
任期の設定は、事業の見通しや一緒に始める人との関係によって変わります。会社設立の前に、司法書士に相談しておくのがおすすめです。定款に書いてしまうと、後から変えるには定款変更の手続きが必要になります。

出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年9月時点)
大阪での申請先は、本店所在地で決まる4庁のいずれか

定款認証が済んだら、資本金を払い込んで登記の申請です。大阪府内で商業・法人登記の申請を扱うのは、大阪法務局 本局・北大阪支局・東大阪支局・堺支局の4庁だけです。
本店所在地から自動的に決まります。大阪市の全区と枚方・寝屋川・交野・守口・門真なら本局、北摂なら北大阪支局、東大阪・八尾・柏原なら東大阪支局、堺市と南河内・泉州なら堺支局です。
会社の設立日は、登記が完了した日ではなく登記を申請した日です。登記所の受付は平日17時15分まで。それ以降に送信した申請は翌業務日の受付になり、設立日がずれます。
設立日にこだわりがあるなら、定款認証の予約から逆算して日程を組んでください。認証が押すと払込みも登記も後ろにずれます。余裕をもって進めるのがおすすめです。

出典:大阪法務局「取扱事務一覧表(商業・法人登記、電子認証)」(2026年9月時点)
証明書を使えば、登録免許税は7万5,000円になる

本店を置く市町村の特定創業支援等事業の証明書があると、登録免許税が0.7%から0.35%に下がります。株式会社の下限額は15万円から7万5,000円になります。
合同会社の軽減額が3万円であるのに対し、株式会社は7万5,000円。もともとの税額が大きいぶん、株式会社のほうが軽減の効果は大きくなります。株式会社で会社設立をするなら、検討する価値は十分にあります。
大阪市の場合、4回以上かつ1か月以上の継続的な支援を受け、支援事業者に申し出て申請します。交付手数料は無料で、申請から交付まではおおむね10日程度が目安です。
証明書を使う場合、株式会社の法定費用は約9万2,000円になります(電子定款・資本金100万円未満・定款認証の4条件を満たす場合)。何も工夫しない場合の約24万2,000円と比べると、15万円の差です。

出典:大阪市「特定創業支援等事業」(2026年9月時点)
まとめ:株式会社で進めるときに押さえる3点

大阪で株式会社を設立するとき、合同会社と違って気をつけるのは3点です。定款認証の段取り、役員の任期、そして申請先の法務局。最後のひとつは合同会社と同じですが、間違えやすいので繰り返しておきます。
費用を抑えたいなら、電子定款にして収入印紙4万円を省き、条件が合えば定款認証を1万5,000円にし、本店を置く市町村で証明書を取って登録免許税を半額にする。この3つを積み重ねるのがおすすめです。
会社設立を自分で進めるか頼むかは、時間で決めてください。株式会社は定款認証があるぶん合同会社より手間がかかります。大阪には顧問契約を条件にせず登記だけを引き受ける司法書士事務所もあるので、工程ごとに分けて頼むという選び方もできます。

出典:大阪法務局「管轄区域一覧」(2026年9月時点)
株式会社の会社設立で日程が読みにくくなるのは、定款認証の工程です。事前確認の往復に数日、そこから予約を取って認証。ここを見込んでいないと、設立日の予定が崩れます。定款の案ができたら、まず公証役場に連絡するのがおすすめです。
大阪府内には公証役場が11か所あり、本店所在地の都道府県内であればどこでも認証を受けられます。近さより予約の取りやすさで選ぶという判断もありますし、ウェブ会議での認証も原則化されているので、選択肢は広く考えて構いません。
役員の任期は、会社設立の後に効いてきます。長く設定すれば登記の回数は減りますが、体制を変えにくくもなります。一人で始めるなら長め、複数人で始めるなら慎重に、というのが一般的な考え方です。大阪での会社設立が、落ち着いて進むことを願っています。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順に優劣の意味はありません。並び順はページごとに変えており、順位付けではありません。いずれも当サイトが実際に検索してURLの存在を確認したサイトです(確認時点の情報のため、移転・終了している場合があります)。
- 株式会社の定款の認証を受ける(会社設立大阪)
株式会社の定款認証の進め方を、大阪で設立する前提で説明したページ。
osaka.ii-support.jp - 大阪府の公証役場一覧/電子定款認証サポート
電子定款の認証を扱う事務所が、大阪府内の公証役場を一覧にしたページ。
nishi-jimu.com - 大阪府の公証役場一覧
大阪府内の公証役場を所在地つきで並べた一覧ページ。定款認証の場所選びに使える。
hitodeki.com - 定款の認証手続き(会社設立ひろば大阪)
大阪での会社設立と創業融資を支援する事務所が、定款認証の手続を説明したページ。
seturitu-hiroba.jp - 【高槻公証役場】電子定款認証手続きの流れと持ち物(司法書士中嶋国際法務事務所)
高槻公証役場での電子定款認証の流れと持ち物を、北摂の司法書士が具体的に書いた記事。
nakajimalaw.net - 電子定款認証 大阪府東大阪市/東大阪公証役場
東大阪公証役場で電子定款の認証を受ける場合の案内ページ。
teikan.nishi-jimu.com - 商業・法人登記事務の取扱庁変更について(大阪法務局)
どの庁が商業・法人登記を扱うかの変更を知らせる大阪法務局の公式ページ。
houmukyoku.moj.go.jp - 商業・法人登記(大阪法務局)
大阪法務局の商業・法人登記の入口。申請書の様式や手続の案内がまとまっている。
houmukyoku.moj.go.jp - 登記手続案内予約及び各種お問合せ(大阪法務局)
登記手続の相談を予約するための大阪法務局の案内ページ。自分で登記するときの相談先。
houmukyoku.moj.go.jp - 大阪法務局 管轄のご案内(商業・法人登記)
本店所在地から、会社設立の登記を申請する法務局を地図で確かめられる大阪法務局の公式ページ。
houmukyoku.moj.go.jp - 大阪で会社設立する費用と手順を完全解説(弁護士法人)
会社法の観点から、大阪で会社設立するときの費用と手順を通しで説明した記事。
law-bright.com - 司法書士・行政書士けやき法務事務所(東大阪市)
河内小阪駅近くの事務所。会社設立や役員変更の登記を扱い、初回40分の相談は無料。
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大阪府内の法人登記を扱う法務局を電話番号つきで一覧にしたページ。運営はGVA TECH株式会社。
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豊中市の司法書士事務所が、商業・法人登記の管轄を市町村別にまとめた記事。
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